6/03/2011

Hope and Love日記

3月11日を境に多くの人の生活が様変わりしました。
今までいとも普通だと思っていた生活がこんなに脆かったという事に私自身がまず打ちのめされてしまいました。
眠れない夜が続き、自分なりのわずかな寄付をして、それでも足りない、充分ではないという思いに葛藤し、自分の関わっているファッションという仕事がこういう時に何の役立たないという罪悪感。1週間経って、何か被災地のためにしたいけれども、遠くにいる私に出来る事は支援金活動だろうという考えにいたりました。
被災地のために祈ったり、優しい言葉や慰めも必要だとは思うけど、結局は今の状況ではお金がいくらあっても足りないということはない。って思いました。
じゃあ、何が出来るだろう?、、、結局、私に出来るのはファッションに関係した事、
コーディネイターの経験を生かしてイベントのオーガナイズ。

ある朝起きたら企画が頭の中で出来上がっていました。チャリティーセールをオーガナイズしよう。

始めからフリーマーケットのような形態は考えていませんでした。
ファッション界のプロの人間が関わるのだから、チャリティーとはいえ、それなりのイベントにしたい。

仲の良いファッション界の友人に声をかけた所、すぐに2人の人が自分も何かしようと思っていたと、快く参加をしてくれることになり、それがHope and Loveのスタートでした。

そして幸いな事にファッション撮影によく使われている写真スタジオのSTUDIO ZEROが、無料で会場提供をしてくれることに!

半信半疑だった人、売名行為だと思った人、興味が無いという人などもいましたし、始めから全てが順調だった訳ではなく、ただただ何かするべきだという思いのためだけに突っ走った5週間。そのうち、噂が噂をよんでどんどんボランティアの人が集まってくれました。
熱い思いを共有する人達と一緒に何かを作り上げていくって本当に素晴らしい。
大人になって損得勘定を抜きにして、何かを一生懸命する事って意外にないので、ちょっとした学園祭のよう。

3日間にわたる商品リスト作成と値札付け。最大で20人くらいのボランティアが参加し、段ボールにして200個くらいの商品。
これは作業場所を提供してくださった0044(他にもラックをお借りしたり、いろんな備品を提供いただいたり)に本当に感謝。

最終参加ブランドはなんと170ブランド!!当日参加してくれたボランティアも搬入のスタッフもあわせると100人近く。
延べ130人くらいの人が参加してくれたのではないでしょうか。
パリで行われた最大の規模のファッションチャリティーセールになりました。


各ブランドから届く商品も愛に溢れています。



ちょっとしたことなのですが、こういう風に♡が付いていたり、頑張れのメッセージが付いていたり。



パリの至る所に貼られたポスターもボランティアの人達がトータル200枚を手分けして。こういった印刷なども全てスポンサー企業による協力で行い経費ゼロを実現しました。


当日は人、人、人。気がついたら最長4時間の列になっていました!
これも様々なメディアが宣伝してくれたおかげです。プレスをボランティアで担当してくれたマリーにも感謝。



会場内は熱気でさながらバーゲン会場のよう。



フィガロジャポンのホームページのコラムでおなじみの料理研究家の原田さちよさんも参加しているLABO LOVE JAPONのカウンターはアーティストのSCHOKOさんが可愛くデコレーションしてくれました。




マレにあるレストランROSE BAKERYのチームがやはりボランティアでスタッフのために料理を作ってくれました!!!



これが出来上がったカレー。ちゃんとデザートもついてました。
野麦峠か石炭炭坑夫かという位ハードな休憩時間もほとんどないハードな2日間の中で
ボランティアの人達がホッと出来た貴重なランチタイム。
















こんなオリジナルバッチ(ベンシモンがスポンサーになって1000個作ってくれました!)とみちこさんが作ってくれたオリジナルブレスレットも販売。




トータル売り上げなんと141759,90 €(日本円で約1700万円)
パリのファッション業界の皆様本当にありがとうございました。何時間も並んで買い物をしてくださった2000人の人にも感謝。

そして、始めはこのチャリティーセールに向けて始めた活動ですが、アソシエーションを立ち上げて今後も支援金集めを続けていくことになりました。仕事、子育ての合間に頑張って被災地のために何かしていきたいと思っています。

これらの売り上げは全て日本で活動している団体に寄付しました。長くなるので、寄付先に関する話、これからの予定などはまた次回にアップさせていただきます。

パリより愛をこめて。石坂紀子

1 commentaire:

  1. 本文にちゃんと名前を書いていなかった人々にもお礼を。
    アソシエーションを立ち上げる時にすぐに賛同してくれたスタイリストの瀬谷慶子さん、ジャーナリスト&スタイリストの鈴木チャコさんには本当に感謝。

    いつも励ましてくださったコーディネイターの大友康子さん、たくさんのブランドにコンタクトを取ってくださったジャーナリストの乗松美奈子さんやスタイリストの古賀かなこさん、それにスタイリストの丹下よし子さん。
    最後に車を出したり、原動力になってくれたコーディネイターの中村美帆子ちゃん、美容学校で働いている大下ユミエちゃん、ボランティアのとりまとめをしてくれた西村チホちゃん、ブランドとの細かいやり取りを担当してくれたエージェントのブッカーのマヤちゃんやPRED PRのオード、サイトを作ってくれた今井めぐみさん。

    当日にボランティアに来て本当にすごく働いてくださった皆様、本当にありがとうございました。

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